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その他の事項

2024.7.24

富山大学医学部アイドリング脳科学研究センターとのコラボレーション 技藝院センター長 林 暁


 医学部の井ノ口馨卓越教授率いる「アイドリング脳科学研究センター」と芸術文化学部の「技藝院 文化財保存 新造形技術研究センター」とのコラボレーション企画の成果発表を高岡キャンパスと杉谷キャンパスで開催しました。
 アイドリング脳科学研究センターの「研究(創作)助成」に技藝院から応募して採択されたことを機に始まったこの企画は、「科学と芸術の関係を表象する作品制作」というテーマで、技藝院メンバーの若手教員4名が一年前から準備を進めました。人間存在にとって最も根源的、神秘的であり、さらにまだまだ謎の多い「脳」の働きに焦点を合わせ、作者それぞれのインスピレーションから創造出来得る形を表象させようという試みです。
 アイドリング脳というのは、人が休んでいたり眠っているときの脳の状態を指します。井ノ口先生の一連の研究から、何か大きな発見や新しい創造が生まれるときに、普段から解決すべき対象について考えている時間以外のアイドリング脳が、大切なインスピレーションを得るために重要な役割を担っているということが科学的な脳の機能の研究の中で分かってきています。
 これまでの時代は、芸術と科学の接点はあまり多くは見出すことができず、どちらかというと科学技術が現代の価値観を先導してきましたが、「人間存在」という人類にとって探求し解明するべき永遠のテーマが、それぞれの分野で共通であることを思えば、次の時代を担う人材を育む総合大学としての富山大学の中でSTEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art,Mathematics)の重要性がますます高まることを期待します。
 芸術の持つ意味は生活の楽しみや心の癒しばかりではなく、物事をあらゆる角度から包括的、大局的に捉え、具体的に現代を映し出し、新しい時代の価値や方向を指し示すことにあります。このような機会に、芸術と最先端の科学が相互に刺激しあって、新しい研究や創造的な取り組みが生まれることを心から願っております。

  • Derivation ~Cloud~
    長田 堅二郎

  • エスパードローイング
    佐藤 弘隆


  • 幸 亮太

  • 脳科学のための乾漆寓意像
    新谷 仁美

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